小説について
某所でのリクエストにお応えして。
プロフにも書いたように小説はあまり読まない。何故かを語ると長くなりそうだし、まとめられるかも分からないから箇条書きで少しだけ。
・基本的に小説に「新しいもの」はない。
・あるとすれば、言語表現による未発見の情動喚起。
・では小説に価値が置かれるとすればそれは何か。
・一つの答え、小説が描くべきは「人間」である。*1
・つまり、小説とは人間の劇的な瞬間のシミュレーションであるべき。
・敷衍すれば、ある状況に置かれた人間がとる行動、思考、感情の描写が小説の本質である。*2
・これが、『小説が描くべきは「人間」である』の意味。*3
・では、なぜ人間が描かれることに価値が置かれるか。
・一つの答え、価値への共感。
・小説家によって構築される状況に置かれた人間のとる行動を支配する価値その他への共感。
・遺憾ながらこれ以上のことについては別の機会に譲る。*4
*1:人間の出てこない小説と言うのがあるのか知らないが、(まあ多分あるだろうけど。擬人化された動物その他とかは除く。)小説以外の表現形式で例えば詩などは自然を表現したものも多い。しかし、これは自然への人間の評価を含むものであり、広義に「人間を描くもの」ではあろう。
*2:困難でかつ非日常の状況もあれば、日常の何気ない状況の場合もある。この選択は著者のスタイルによる。このスタイルによる分類は文学史的に数多くなされてきた。曰く、ロマン主義、自然主義、プロレタリア文学etc.etc.
*3:なお、「シミュレーション」という表現についてはミメーシスという概念についても参照せよ。
*4:なお以上の見解には直接的な学問的裏付けは無いので鵜呑みにしないように。約束だぞう。後楽園遊園地で僕と握手。