ものを書くとこんなにいいことがある!

人様が見ていることを前提に文章を書くことに対する基本的なスタンスの話は前に書きなぐったのだけれど、備忘録的にものを書くことの効用も書いておきたい。
文章を書くという行為には今思いつくだけで3つの個人的利益があると思われる。
まず第一に、思考の整理が挙げられる。現に目の当たりにした事象を書く場合にも、自らの思考感情を書く場合にも、意味の通る文章を書こうと欲すれば、思考の整理が不可欠となろう。すなわち、なんらかの事象の表現には、雑然と無限に広がる世界の無秩序のなかから一定の秩序だった論理の円環を切り出す作業が必要となるからだ。ものを書くとはそれ自体が論理的な作業である。
第二に、記憶の定着が挙げられる。これについては詳しく語るまでもあるまい。事物の意味レベルでの把握が記憶の定着をもたらすことは認知心理学の知見も示すところである。
第三に、個人的なデータベース構築が挙げられる。すなわち、個人的に体験した事象を書き留めることによって、その体験の蓄積が個人の思索のデータベースとなる。また、書き留められた思索の断片を俯瞰して眺めるとき、自ずからそこに体系化された思想が現れることも期待される。
以上、ものを書くことによる個人的な効用について考察を加えたが、問題はオチが思いつかなかったことである。