学歴と枕

近頃某所近辺で燃え上がっている生き方のお話*1に関連して思い出したことについて。でも、この手の話題とくに学歴っていうのはフレームの元だし、少しだけ書くのにとどめておく。
簡単にまとめると、賢い学歴選択とは当該学歴取得によって得られるメリットとその取得にかかるコストを総合勘案して決めればいいことであって、その意味では単純なコストベネフィット分析でことが済む話ではある。でも、その際考慮すべきファクターとして、コンプレックスとか呼び方は何でもいいけど、心理的な効用って大きいと思うのだ。
そういうわけで、以下のレスに一票。

677 名前:無名草子さん :04/02/08 11:35
>>660
低学歴で辛い地方在住者は5浪でも10浪でも15浪でもいいから
早稲田慶応〜上智立教〜明治法政(これは本人が満足出来るところでいい)
に何が何でも合格してしまうのが一番いい。
卒業してもいいしはじめから入学証書だけが目的でもいいしダラリダラリと
留年して結局中退してもなんでもいい。
経済的安定という意味では、10浪で慶応商などに今さら行くよりも
地方高卒での地元弱小企業就職やファミレスコンビニバイト→社員のほうが
きっと小金は安定するだろうが、その彼の心の毒を吐き出して精神のビョーキを
治すには、例えその後どんなに貧しいションベンライターになろうとクソ弱小塾の
講師になろうと、いや、生活保護を受けようとも、地元で「低学歴の猛毒」に当て
られて死ぬまで「低学歴で地方在住で僕の本棚にいる著者達とは決定的な一線で隔絶している僕」
という個我に苦しめ続けられながら生きるよりも絶対に幸せだ。

大学名と浪人年数は伏せるが、俺がそれだったから。地方在住低学歴者が俺と
同じようなコンプレックスを抱えている中毒患者なのなら、恋愛やゲームやなんやかんやじゃ
絶対に癒せない。俺は慶応〜〜〜明治ラインの大学に受かってからはいとうせいこうなんかの
「学歴は無用」なんてのをフーンと聞き流せるくらいになったが、冗談じゃない。
テレビで予備校のコマーシャルが流れる時の、ラジオで受験生に応援を送っている時の
あの死ぬんじゃないかって心の冷たさは、「俺は天下の高偏差値○○大学生だ!」と
枕に顔を押し付けて叫んだあの日までは絶対に解消されなかった。

http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1071492100/677

上昇志向でガンガン闘う生き方のオルタナティブとして無理しないでまったりな生き方があるのはまあ基本ではある。*2そして、後者の選択が往々にして合理的であることも。でも、これを読んだとき、僕はなんだかこの地上の苦しみのプロトタイプを見たような気がして慄然としたのだ。

*1:次の十年がどうのとかの話ね。

*2:個人的には前者の生き方が人間的で好き。でも、それが叶わなかったときどうするか?僕は一応の答えを持っているけどあえて言わない。こういうのって自分で見つけるものだと思うし。夢破れた後で気づく澄み切った朝の空気…そういうのは素敵じゃあないか。